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2005-09-22

このままどこかで死のう

『このまま、どこかで死のうよ』と、琴子を亡くして、その亡骸を私の腕に抱き、旦那の運転する車の助手席で、私はそれが当たり前のことだという気持ちのまま、旦那に言ったことを思い出す。
旦那は
「駄目だよ」
とだけ言うから、
「どうして?」
と聞いたら、
「だって、お葬式を出してあげなきゃ」
と言った。
そっか、お葬式を出してあげなきゃか…私は大きなコンクリートの壁が目の前に立ちはだかったら、迷わずにアクセルを想いっきり踏んでほしいなぁと、そればかりを考えていたのだけど、お葬式を出してあげることが、私達親にとって、もう唯一残された育児なんだっておもえて、じゃぁ帰らなくちゃいけないなと、やっと死を考えることをやめることが出来た。
あのとき、もしも旦那が言葉を失っていたら、十分に有り得た私達の死。
琴子は自分のお葬式という儀式を持って、私達を生かしてくれた。
だのに、旦那は泣きながら運転しているから、場合によっては危険な行為。
もしあのとき何かがあって、警察をよぶことになっていたら、死体搬送をしている私達はどうなっていたのだろうか。
そして、もしかしたらそうなったとき、きっと琴子を奪われて、私は事情聴取をされている間中、琴子に会いたいって泣いていたんだろうな。
腕の中でどんどん冷たくなっていくのを薄っすらと感じながら、ずっと可愛くて可愛くて、誰が見ても可愛いんだろうなって、あの日の晩にすぐに駆けつけてくださった方に「抱いてやってください」ってお願いしちゃったんだよね。
でもその方は抱いてくれた。
「小さくて可愛いね、まるでお地蔵ちゃんだね」
って言ってくれたのがとっても嬉しかった。

どんどんと家族や友人達が来てくれて、その度に泣いている私なんだけど、心の中の一部では、
「琴子の顔色が変わってきちゃった…」
って、冷静な認識のようなものがあって、でもそれは今思えば、琴子がお骨になってしまうまでの唯一の琴子の成長・変化を見守る気持ちだったのかもしれない。
甥っ子が
「琴子ちゃんは冷たいんだね」
と言いながら頭をなでてくれて、1時間おきくらいに琴子の変化を言葉にして伝える…残酷なようだけど、私は琴子を拒絶しなかった甥っ子の言葉や気持ちが嬉しくて、大好きだった。

葬儀屋が来てくれたのだけど、死産という扱いになっていたので、仕切りたがる義父に死産だと簡易な内容で構わないと言ったらしく(親としては許せないけど、あのときには事務的なことなんて出来なかったし、嫌におもっていたけど、言い返す気力もなかった)、義父はことあるごとに
「こういうことは闇から闇へ」
と繰り返していた。
“闇に葬る”というのはこういうことを指していたのだと実感した。

簡易な葬式といっても、義父がそうしたがったとしても、来てくれる友人の気持ちや花束が賑わせてくれて、琴子はまるでお花畑で眠っているようだった。
可愛くて可愛くて、何処の国のお姫様だろうねって、甥っ子に話していた。

琴子が生まれた2003年の8月31日は、今日の栃木県の空みたいな、薄暗い曇りの日だった。
今、日記を書いている時間くらいに、産婆に
「あきらめてくれ」
と言われた。
諦められるわけがないのに、どうしてそんなことを言うのだろうと、私は泣くことしか出来なかった。

前までは曇りの日の方が好きだった。
木々の緑の色は曇りの空の方が栄えるとおもっているので、外にいるのなら曇りの日の方が好きで、晴れているのってなんとなく鬱陶しかったりした。
でもあの日を境に、曇りの日は寂しくて悲しい気持ちに走り易い日になってしまった。
晴れている方が動き易くなった。
琴子が亡くなった後、しばらく私の家で面倒を見てくれた実母が
「夕焼けは野生の動物でも寂しく感じるらしいよ」
と言ったので、私は夕焼けが好きになった。
だって、夕焼け空のときなら皆、寂しい気持ちを理解してくれるような気がしたから。

どうして動物は寂しく感じるのだろう。
子供を亡くしたことがあるのかなぁ…



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Re:このままどこかで死のう(09/22)

本当に辛い事ですね。何と言えばいいのかわかりません。

私が同じ立場だったら、やっぱり死にたいと思ったかもしれません。精神的に死んでしまっていたかも。

このような事故は、二度と起きてはいけない事。その助産師は、罰を受けるべきだと思います。

私の見学に行った助産院では、「助産師は、異常分娩は扱ってはいけないので骨盤位は受けられません」と言っていました。

Re:このままどこかで死のう(09/22)

途中で、送信してしまいました。

なので、その助産師にすごく疑問を感じました。まだ助産師をしているという事、本当におかしいと思います。

ご主人の言葉

それがあったから今、

琴母さんにはリンズちゃんがいる。

そう思うとご主人の言葉が一家全員を救ってくれたんですね。



それにしても、

その助産婦、琴母さんが「逆子です」って言ったら、

「自分に任せろ!」っていったくせに、

それが諦めてくれだって~!!

ふざけんな!!

そんないい加減で無責任な人がいまだに助産婦やってるなんて許せない!!

早く罰されて欲しいです。

これ以上琴母さんみたいな方を増やさないためにも・・

Re:このままどこかで死のう(09/22)

本当に、どんな言葉で言い表したらよいのかわかりませんが・・・



>>琴子は自分のお葬式という儀式を持って、私達を生かしてくれた。



そしてリンズちゃんが産まれてきたのですね。だからきっと、お姉ちゃんのことを語り継ぎながら、大事に大事に育てていけるんでしょうね。



これだけの経験を文字にして公開されるまでに、すごく心の揺れ、葛藤があったことでしょう。「かけがえのない命」について、また今日も考えさせてもらっています。

Re[1]:このままどこかで死のう(09/22)

風子☆さん

子供を亡くした経験のない頃に想像していたものとは全く違う毎日です。

今は時間薬や人の優しさなどで癒されてきたこともあるけど、悲しみの種類や深さなどは何段階にもあると言えば良いのか、時が経てば経ったなりの辛さもあります。



風子さんの助産師さんは正しいお産をしてくれそうなのかな。

私には何も断定出来ないし、病院でも助産院でも、無事に生まれたと聞くまでは、人のお産でも安心出来ません。



私の方の助産師Hは本当にどうしようもない、人とも表現したくない、かといって獣と言ったら獣にも申し訳ないから、表現のしようがありません。

風子さんの助産師さんに、私の話をしてくださいませんか?

出来ればで構いませんが、助産師同士が意識しあうことも大事だとおもっています。

図々しいお願いなんだけど、是非。

Re:ご主人の言葉(09/22)

くまぴょんの妻さん

本当、あのときに主人が黙ってしまったり、同調しかけただけだったとしても、死で終らせたいという心境を止められなくなっていたとおもいます。

子供の葬式を出すなんて、ずっと悪い夢の中にいる気持ちでした。

自分が妊娠していたことまでもが夢だったのだろうと、ぺちゃんこになったお腹を見て、早く目が覚めることを祈るような日々でした。



Hは今日も助産師として仕事を受けているかもしれない。

廃業届が出されたとしても、疑う気持ちは消えません。

Re[1]:このままどこかで死のう(09/22)

桃まま1253さん

琴子が生かしてくれた命だとおもって、日々、感謝しています。

そう、リンズは琴子があのとき、私達の心にブレーキをかけてくれたから生まれることが出来たのですよね。

感謝です。



心の揺れと葛藤は仰る通り、あります。

また、これからどう話していくべきか、戸惑っていることもあります。

裁判が実際に始まるまで、しばらくは自分の心・気持ちと向き合うことばかりで、これがまた辛かったりもしているのですが、逆に凄く大事な作業だともおもっています。



琴子が「かけがえのない命」を考えてくださることへのきっかけとなっているのなら、親として子を誇りに思え、とても嬉しいです。

ありがとうございます。

つらいですよね。

私も、なくした子供のことは絶対、忘れません。

誰がなんと言おうと、毎日かわいいです。

それでいいんだと思ってます。

忘れろ、というのはやっぱり、やったことのない人の台詞ですよねえ。やったことない人には、絶対わかんないですからね。

 だんだん、その時のショックが遠くに思えるようになる、それだけだと思います。でも、やっぱり生きていてよかった、って思います。自分の番が来るまでは、命は大事にって。



むっちさんちから、おじゃましました。

Re:つらいですよね。(09/22)

もりさわさん

はじめまして。

もりさわさんもお子さんを亡くされているのですね。

私は辛い気持ちとの共存にだいぶ慣れてきました。

また、こうやって大勢の方に出会うことが出来て、辛いだけではなくなってきました。

もりさわさんも同じかな。



また是非お越しください。

私もゆっくりと伺います。

Re:このままどこかで死のう(09/22)

その気持ちわかるような気がします。

わたしは一人目のときは、わたしだけまだ入院中だったので、通夜、葬儀に出ることしか出来ませんでした。

二人目のときは、明け方、看護婦さんを振り切るように、お医者さんはもうわたしの退院を認めてましたからって、娘を連れて無理やり退院しました。支払いも後から来ますからって。

車は主人が運転していて、わたしは娘を抱いていて、ただ、違うのは、わたしは二人だけで死のうと思ったのです。主人は残してね。彼が反対すること目に見えていたから。橋を渡りながら、気分が悪いからちょっと止めてと言って、娘を抱いたまま川に飛び込んだら死ねるだろうか。そんなことを考えてましたね。でも、川で、娘が見つからなくなったら。そんなのは嫌だなって。あまりに小さく生まれたので。わたしの身体にくくりつける暇などなかったですしね。

三人で死のうとは考えなかったですね。主人が生きていく人だと知っていたから。

その生きていく人が、先に逝くのは約束違反だと思うんですけどね。

助産院というのは、野放しに近いのでしょうか?

本当に悔しいですね。

Re[2]:このままどこかで死のう(09/22)

琴子の母さんへ

実はもうお話ししていました。こちらのHPの話をして、今まで事故があったかどうか聞きました。



こちらのHPのアドレスを、私の行っている助産師さんにお教えしたいのですが、構わないでしょうか?

Re[1]:このままどこかで死のう(09/22)

ねこのこの星さん

私の場合は、夫が琴子の誕生まで、毎晩、大きな私のお腹の中の琴子に毎日絵本を読み聞かせていて、今でも思い出しちゃうんですけどね、鯨のクーちゃんとかっていう話しが最後の晩でして、夫が琴子と二人で死んでしまうのではないかとおもえてしまっていたのでしょうかね、とにかく3人でとおもっていました。

とっても田舎ですから、夫だけを残すと、辛すぎる想像しか出来ません。

やはり一度は死を考えてしまいますよね…
プロフィール

琴子の母

Author:琴子の母
助産院や自宅出産についての情報があまりにも偏っています。
助産師会の方から『産む側も勉強を』と言われました。
偏ったままの情報での勉強は、あらたな誤解を生み、悲しいお産を増やす可能性が高いとおもっています。
助産院や自宅出産が抱える問題、リスクを知って貰い、その上で分娩方法や場所の選択をしていくことを願っています。

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