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2006-01-18

33歳の天使

リンズを連れて、スーパーに買い物に行った。
お豆腐を買おうと、陳列された商品を見ていると、横で作業をしていた従業員のおばさんが話し掛けてきた。
最初は、自分の息子のところにきたお嫁さんにも早く子供ができないかしらと言っていて、
「でもそういうことって、言ったら悪いからね~」
と言って、私は「そうですね」とだけ返し、一度は話が終った。
数十秒くらい間が空き、
「いくつ?」
とリンズのことを聞いてきた。
そしてまた、お嫁さんに早く子が授からないかと言い、
「私の頃はね、義母さんにさんざん言われたんだよ、早く産めとか、3人も男で、女は産めないのかとか、3人目のときには堕ろせとかってね、ひどいもんだった」
と、何故か従業員と客の枠からはみ出るような内容になった。
そして…
「でもね、そう言われながらも産んだ3人目がね、死んじゃったんだもんね…」
ドキッとした。
「生きていれば、あなたと同じくらい。33歳になる子なんだ」
いくつで亡くなったのだろう…聞こうかどうしようか迷いつつ、
「私も一人、子供を亡くしているんです」
と、それまでは相槌ばかりだったのだけど、琴子の存在を打ち明けた。
おばさんもドキッとしたのだろうな、とっても驚いた顔をして、リンズに手を向けて
「じゃぁ、この子の上?」
と聞いてきた。
頷く私を見て、
「お兄ちゃん? お姉ちゃん?」
と聞く。
「姉ですね」
「じゃぁ、二人なんだ」
「はい、でも戸籍には載せられなかったので、世間では長女になっちゃうんです」
「あら…うちは半年。辛かったよー、今でもね、辛いもん」
「そうですよね、きっと、一生辛いですよね」
「でもね、男っていうのは薄情なもんだね、旦那にね、“今日はなんの日だ?”って聞いてもね、もう“知らない”って言うんだよ、4月27日が命日なのにさっ。私なんてね、今でも毎日、陰膳を据えているっていうのに!」
威勢が良い口調なんだけど、言葉中、愛息さんへの想いが一杯で、私は結構辛かった。
多分、おばさんから見た私の目は赤く、泣き出しそうな顔をしていただろう。
「いつまでも辛いよね、辛い、辛いよ」
と言いながら、
「でもね、この子は二人分、二人分元気だよ」
と言って、微笑みながら会釈して別れた。

おばさんは心の中でずっと、愛息さんの年を数えている。
おばさんのお腹の中での日々、地上での半年の日々、33年前の4月27日からの日々、そしてこれからもずっとずっと、おばさんは三男坊さんの母親でいる。

なんの前触れもなく、33歳の天使さんを知った。
悲しいけど、嬉しくもあった。


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Re:33歳の天使(01/18)

臍帯巻絡で長男を亡くした義妹が、昨日長女を出産しました。

私達の前ではいつも笑顔で、もう大丈夫って顔をしててた義妹。

長男の話は彼女としたことがありません。

私は長男の話をしたいけど、できないでいました。

私の出産の話をすると泣いて聞いてたけど、彼女は話しませんでした。



出産は早かったけど、回旋異常だったそうです。

回旋が反対だったみたいで、なかなか出てこなくてお腹を押され、吸引したそうです。

看護師さんに「骨が折れたかなと思った」と言ってました。

帝王切開になるかもと言われましたが、義弟が立ち会って無事産まれました。

なんか胸がいっぱいで、彼女のことを考えただけで泣きそうです。



主人の祖母のお墓参りに行くと、1歳と書いてある名前を見つけました。

祖母は3人子供を産み、1人病気か何かで亡くしたそうです。

義母にも話さず、逝ってしまいました。

実の祖母は6人産んで2人をはしかで亡くしました。

亡くなった家族を想って忘れないで生きていこうと思ってます。





Re:33歳の天使(01/18)

胸が温かくなるお話でした。

昔は今以上に

自分の気持ちを吐き出せないまま

過ごされていたんでしょうね。



横レスですが

みうママさん、

義理の妹さんのご長男の事こうして思ってあげていること、きっと妹さんもうれしいと思います。

私達子供を亡くして、次の子供が無事元気に育ってくれている事、

それは本当にうれしく、夢のようなことなんですが、

それと同時に、亡くなった子供を忘れていかれるんじゃ...という不安もあるんです。

また、機会があれば、

みうママさんが長男君のこと、

今でも心に思っていること

妹さんに伝えてあげてください。

きっと、そのことがまた、

生きていく支えにもなり、

妹ちゃんを育てていく大きな励みになると思います。

すみません、生意気な事かいてしまいました...。

Re:33歳の天使(01/18)

私は自分が子供を亡くして、初めて祖母が生後3ヶ月で女の子を、叔母が9ヶ月で女の子を死産したことを知りました。(共に母方)

祖母は母を含めて3人、叔母も3人今現在生きている子供(私の従姉妹たち)がいます。



祖母も叔母も江戸っ子、と言ったようなシャキシャキした人でとてもそのような過去を感じさせなかった分、聞いたときはとても驚きました。

そして何も言わず一緒に涙を流してくれたことが嬉しかったです。

何を言ってもどうしようもないことを彼女たちには解ったのでしょう。

ただ涙を流していただけでした。



祖母は今年80歳になりますが、今でも桃の季節になると亡くなった子に会いたくなり涙を流していることを知りました。

叔母はゆかり、と名付けようと決めていた名前を胸に想い、生きていたら17歳だよ、と教えてくれました。



25年生きて初めて知った、叔母さんと従妹の二人。

これからもよろしくお願いします、そして高宇ともう会っているかな、と思う今日この頃です。(聞いたのは昨年1月ですが)

Re:33歳の天使(01/18)

読んでいて胸がいっぱいになりました。

私の母方の祖母が、最初の子(女の子)を生後1ヶ月未満で

不慮の事故で亡くしています。

祖母はその後次女として生まれた私の母に、何度となく

亡くした長女のことを話したそうです。

「○○(長女)はお前よりずっと可愛くて頭も良くて(?)」とか、

生きている我が子に言う言葉としてはちょっとアレですが^^;



80歳を越えてもずっとずっと我が子のことを思い続けるんですよね・・・

忘れる筈がありませんよね、最愛の子ですものね。
プロフィール

琴子の母

Author:琴子の母
助産院や自宅出産についての情報があまりにも偏っています。
助産師会の方から『産む側も勉強を』と言われました。
偏ったままの情報での勉強は、あらたな誤解を生み、悲しいお産を増やす可能性が高いとおもっています。
助産院や自宅出産が抱える問題、リスクを知って貰い、その上で分娩方法や場所の選択をしていくことを願っています。

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