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2006-07-05

出会いの中で

先日、ある場所で、妊娠7ヶ月の妊婦さん二人に出会った。
二人ともが友人同士。
私だけが初対面。

Aさんは自己申告においては高齢出産になるそうで(年齢は聞いていない)、県内のN医院という産婦人科の病院内にて、宿借りしている形の助産師にてお産をする予定。
Bさんはいくつなのかな、若い感じがしたけど、落ち着いてもいたから、もしかしたら30歳は過ぎているかもしれない、元看護士さん。
都内の実家に戻り、里帰り出産をする予定だそうで、病院を選んでいる。
二人とも初産。

Aさんの選んだ助産師さんは、私も知っている人で、何度も話したこともある。
友人数名もお世話になっている。
私もこの助産師さんの人柄は好きで、結構素敵なことを言う人だった。
ただ、日帰りなんだよね、産んでから数時間は休ませてくれるけど、なんて言っても宿借りさんだから、入院出来ない。
もしもそこで帝王切開のお産に切り替わったら、当然、そこからはN医院のN医師の登場で、そのまま入院も出来るわけだけど、助産師がとりあげた予定通りのお産だと、私の友人だと早朝に産み、午後には実家に帰っていた。
勿論、産後の産婦や子供の状況を見ての判断だとはおもうけど、産後の骨盤のことなんかをおもうと、もっときちんとしっかりと休ませて欲しいとおもうけど、ま、選択する人は、そこまで承知しての選択だろうから、私は何も言いませんけどね。
ただ、そこで産んだ友人は、
「分娩台で結局産んだから、それを知らなかったから、なんだかショックだった」
と言っていた。
琴子を産む前の、昔の会話を思い出す。

Aさんに琴子の話もしたんだけど(「お子さんは?」と聞かれたので)、むしろ反応があったのがBさんの方だった。
「実は私、助産院で母が私を産んだんだけど、私は死にかけたんです」
と…
話を聞くと、彼女には生まれたときから腸に異常があったそうで、ミルクや母乳を飲ませても吐いてしまい、全然飲めない。
それを助産院の助産師に母親が訴えても、
「生まれてすぐにはこういうこともある」
とかで、放置されてしまっていた。
新生児は出生後に体重が減るとはいえ、どんどん痩せていくのが分かるし、顔色もおかしい。
でも助産師は大丈夫という。
助産院が提携していたのかな、ある巨大病院の医師が週に1度、その助産院に来て、診察をしていたそうで、偶然にも、このBさんと母親は医師に診てもらうことが出来、その結果、「緊急手術が必要!」と言われ、Bさんはそのまま病院に搬送され、手術を受け、命拾いをしたとのことだった。
週に1度の診察日故、産んだ曜日によっては、医師に一度も会わずに退院する人もいるそうで、このBさんはもしそのまま医師に診られることなく、あと数日経っていたらかなり危険な状態であったそうだ。
「だから私の母は、絶対に助産院は産まないと言っていたし…」
と、そこまで話したあとで、Aさんを気にしていたけど、私はAさんには良い機会だとおもう。
勿論、助産院で産むという結論は変わらないとおもうし、変えることを強いる気持ちなんて微塵もない。
ただ、「お産の王道」なんてものは『母子の安全』があってこそのことで、助産院で産むことこそが正しいのだと言わんばかりの昨今、こういうこともあると認識した上での選択をするべきなんだから、私はAさんが望んでいたからこその出会いではないかとさえおもえた。
Bさんも私が
「助産院だから駄目だなんて言いたくない、ただ、お産がどれだけ危険を伴うものなのか、母親だって亡くなってしまうことがある、赤ちゃんだけが亡くなってしまうことも、母子共に亡くなってしまうことだって、今でも誰にでも起こり得ることだってことは知っておくべき」
と言うと、
「私も産科に居たことがあるけど、赤ちゃんの体温は簡単に下がっていく、本当に早く、凄い勢いで死に向かっていくってことを目の当たりにしているから…」
と、すぱっと言いつつ、普段はこういう会話が出来ないらしく、途中からこれまたAさんを意識して、言葉尻が弱々しくというか、ちょっと控えめになっていた。
でも、BさんもAさんをおもってこそ、自分の経験を話していて、私はなんだか好きだな、Bさん。
勿論、Aさんも良い方なんだけどね、産後はそのまま自宅に帰るとかで、実家の方の協力も選ばず、日中は旦那さんは外に仕事に出掛けるのに、「会えないのは寂しい」ということで、産後、いきなり自分が動くつもりだそうで、それもさっきから言うように、産後数時間後には自宅に帰る仕組みのお産を選んでいるから、お節介にも心配になる。
さすがにこれは言わなかったけど、かなりの楽観主義者なのかな~。

Bさんのような、腸の異常などは、最近はしっかりと教育されているそうで、
「最近ではすぐに病院へ転送するとか、今だと死んじゃうってことは滅多にないそうだけど、昔の助産師だと、やっぱり違ったみたいですよ」
と言っていた。
本当、医師やら何やらって、制度や教育が違っても、色々と見直されても、一度資格を得ると、放任されっぱなしだよね。
H助産師だって、『逆子は危険だから、助産院では扱ってはいけない』というのを、もしかしたら真剣に知らなかったのかもしれない。
否、同世代の助産師が
「知らないはずはない」
と言っていたから、知った上でのことだったのだけどもね。

Aさんは今のまま、助産師さんにお任せして、N医院でいわゆる“院内助産院”という形でのお産を選択して、お産に挑むんだとおもう。
それで良い。
自分が責任もって、色々な情報を得た上での判断なんだから、私はそれで良いんだっておもう。


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そうですね。

それぞれのお産のメリット・デメリットをきちんと把握した上でお産を選ぶことは大事だと思います

一般的に助産院で産みたいと言う人というのは「感動的なお産」「自然でやさしいお産」を必死にめざしてて、その対極にあるデメリットの部分から目をそらしている気がする



病院出産のデメリットはあちこちで囁かれているのに、助産院や自宅出産のそれらはほとんど漏れて来ない

これじゃ公平で的確な判断できないよなぁっていつも思う



昨日の新聞に助産院出産した人の投書が載ってました

「このすばらしい感動を味わうことが出来たら、きっと『次もまた産みたい』って思うはず」「様々な医療措置が必要な人はもちろんいるけれど、基本的に健康な妊婦は不要な医療措置を排除し助産院を利用することで、産科不足の解決にも繋がる」というような内容だったかな



頭では、リスク妊婦はより高度な医療措置が受けられる所で出産すべき・健康妊婦は助産院でも病院でもドーゾ、っていう理屈は理解できるのですが、感情として、「健康妊婦だけがお産を選べる自由さや、それにより味わえるであろう満足度や感動」から、リスク妊婦の立場としては言いようのない疎外感みたいなものを感じてつい卑屈になってしまいます



なんか、助産院や自宅で産んだ人ってそれを特別なことを成し遂げたみたいに言いがちな感じがする

「その特別なことを、したくても出来ない人がいる・したいと思わない人だっている」ということに、思いが及んでいない気がするんです

素晴らしい素晴らしいって言うばっかりで。



本来、特別じゃない自然なことをしたくてその選択をしたはずなのに、それをえらく感動的で素晴らしくて云々と特別な体験のように伝えてしまうことが、異常な自然派思考に繋がっているような気がしています



・・・長々ゴメンナサイ

ちょっとセンシティブな時期なので、つい過敏にいろいろ反応して書き綴ってしまいました

難しいですね

ここ数年、ネット社会となったことで、以前よりも多くの情報を得られるようになったとは思う(私の子どもの頃は、固定電話のない家も珍しくなかったのに)その反面、情報が氾濫し過ぎて、その中から取捨選択するのが難しくなっているのも、事実。

一時の感情や、情緒的なものに流されるのではなく、真に正しい情報を見極める目を持つこと、そして耳障りのいい言葉に惑わされないことが、大切ということなんでしょうね。



そういう私も、昔は「出産する時は助産院」と考えていた時代があります。当時はオカルトビリーバー(何でも信じる人の意味)で、某カルトにはまりかけたこともあり、「科学はダメ」という、それこそ偏見に凝り固まっていました。いま考えてみれば、理数系が苦手で、科学的な読み物を読解するだけの能力がなかっただけなんですけどね。いまも科学書はめったに読みませんが。

あくまで私個人の場合ですが、こんな風に

「正しい物は一つだけ」と、頭が凝り固まっていた時期と、所謂『自然なお産』が正しいと信じていた時期が重なるのは、なんとなく面白い気がします(重ねて言いますが、あくまで『私個人の話』です。他の方がどうこうという意味ではありませんので、その点はご了解下さい)



ところで最近、市内の産院が廃業となりました。かわいい建物と内装で大人気だと思っていたので、その話を聞いて驚きました。ところがそんな私に同年代(オバちゃん世代)の友人達はダメ出しの嵐。その場にいた全員に「あそこは前から評判が悪かったよ。それくらい知っておきなさいよ」と言われた。なんでも事故なども多かったらしいです。それを全く知らなかった自分に呆れるとともに、ちょっと怖いな、と思いました。

Re:そうですね。(07/05)

まいっちんぐ1025さん

>一般的に助産院で産みたいと言う人というのは「感動的なお産」「自然でやさしいお産」を必死にめざしてて、その対極にあるデメリットの部分から目をそらしている気がする

---私自身がそうでしたし、今更責めるつもりはないけど、周囲の友人知人だってそうでした。

最悪、助産師すらがそうでした。

だからこそ起こった悲劇だったのが、“琴子の死”です。

やっぱり成功例ばかりを言いたがってしまうのが人間の心理なのかもしれないけど、玄人だからこそ、話すべきことがあるのだとおもいます。

Re:難しいですね(07/05)

るんさん



情報って、意外と偏っているんですよね、どんなに自分が中庸的な耳や目を持とうと、持っているとおもっていても、偏っていますよね。

私自身、琴子の死により、色々なことを知り、気付かされましたが、それまでの自分が“分かっている”とおもっていることは、正しくは“分かっているとおもっている”だったんですよ。

助産院を選択するときも、全てを分かっているような気持ちになってしまっていたんだとおもう。

ま、それでもかなり偏りがあったから、偏った中で、更に“分かっている気がしている”だったんだから、恐ろしいことです。

Re:出会いの中で(07/05)

ヤドカリさんの方は、どこかに「産褥入院」ってのはできないのかなぁ?

「会えないのはさびしい」かもしれないけど、あとあとの育児もあるし、長いスパンで体のことを考えていってほしいな、と私も思います.

大家族で協力が得られる昔と、夫婦中心、核家族の多い現代。

そのあたりもよく考慮して、選択するべきでは、と。

Re[1]:出会いの中で(07/05)

桃まま1253さん

>大家族で協力が得られる昔と、夫婦中心、核家族の多い現代。

>そのあたりもよく考慮して、選択するべきでは、と。

そうなんですよね。

お産の場だけが“昔”ではいけないんですよね。

Re:出会いの中で(07/05)

随分経ってからのレスになりますが、琴母さんお久しぶりです。裁判の結果も読んではいましたが、その後のことが気になりレスは控えていました。何も協力できず申し訳ありませんでした。



Bさんのお話、その病気とはいわゆる「直腸肛門奇形」具体的には「鎖肛」または「ヒルシュ」の類だろうと思います。うちの長男がそうだったので経過が分かります。明らかに肛門が閉鎖している鎖肛では生んだ直後に通常は判明しますが、生んで数時間ではわからないままに帰宅してしまう可能性は確かにあると思います。一見肛門がありそうに見えて、実は入り口から数センチで途切れている場合もありますし、「ヒルシュ」の場合は外見からは分からず、やはり「嘔吐や腹部膨満」でレントゲンを撮ってみて分かるものです。そのまま放置すると腸が破裂して腹膜炎を起こし生命が脅かされます。もし救命できたとしても、腸を切り取らなければならず、予後は非常に悪いのです。



そういうことを一度知ってしまうと助産院での出産は選択できません。Bさんを取り上げた助産師はおそらくこの知識がなかったのでしょうね。



今でも知識がない助産師はいると思いますよ。個人病院で出産して発見が遅れる事もたまに今でもあるくらいですから。



そういうわけで現在でも診断が遅れてしまうことはまれにあるらしく、そういうことを考えると、私にとっての出産場所は助産院や自宅出産は論外になりました。



そのまま産褥入院させてもらえるのなら病院内所産院も良いのでしょうが、経過が悪いときにはどうするのか?初産では痔にもなるだろうし、もしかすると会陰が裂傷を起こすかもしれないし・・・私にはそんな勇気はないです。裂傷が生じたら医師が登場して縫合してくれるかとか色々考えると・・・無謀な気がしますね。



個人の責任での選択って何なんでしょうね?

Re[1]:出会いの中で(07/05)

エドガーさん

エドガーさん、裁判前から色々なご意見を下さり、ありがとうございました。

とても感謝しています。



>個人の責任での選択って何なんでしょうね?

タクシーに乗ろうとして、丁度来たタクシーに乗ったら、運転の荒い運転手で、遂には大事故を引き起こし、結果、タクシーに乗ったお客は…

それでも、タクシーに乗ったお客が悪いってことなんでしょうかね。

タクシーに『運転荒くて有名、事故多し』とかってステッカーが貼られていても乗ったのか。

そのステッカーを見て躊躇しているお客に、

「大丈夫だよ、だからこそ、注意しているよ」

と、運転手本人もしくは近くの人が助言したから、その言葉を信用して乗ったとしたらどうなのか。



産後、出血の心配もあるから最低でも24時間は管理されるのが望ましいと、ある助産師の方から聞いています。

でも、24時間を待たずに帰しているのも、別の人だけど、同じく助産師です。



直腸肛門奇形のお話もありがとうございます。
プロフィール

Author:琴子の母
助産院や自宅出産についての情報があまりにも偏っています。
助産師会の方から『産む側も勉強を』と言われました。
偏ったままの情報での勉強は、あらたな誤解を生み、悲しいお産を増やす可能性が高いとおもっています。
助産院や自宅出産が抱える問題、リスクを知って貰い、その上で分娩方法や場所の選択をしていくことを願っています。

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